The North Angler

コラム


空

萩原恭次郞 断片


序 詩
無言が胸の中を唸つてゐる
行為で語れないならばその胸が張り裂けても黙つてゐろ
腐つた勝利に鼻はまがる

断 片 34
血は無駄を嫌ひ 病的を嫌ひ 誇張を嫌ひ
あんなにも愉悅を知り あんなにも寂寥へ落ち込み あんなにも無言で あんなにも活動して休まず
あんなにも自已を忠實に守つて進む
そこが壊れる 走り進んで行く
そこへ固り着く 防衞のコンクリートとなる
前衛隊も護衛隊も看護隊もない
凡てを自分達一切で引き受けねばならなぬ血よ
次ぎから次ぎへ 傍目わきめもふらず 自暴自棄にならず
勇氣に充ちて土台となり合つて死滅して行く血よ
お前は消へ お前は微笑む血よ。

断 片 35
君は君の道を往くだらう
久しく君に逢はないが
僕は少しも寂しくはない
今日僕は友に何等の疑惑を持たない
また華々しい期待も持たない
我々は遊びでないものを各自心に持つたからだ
今日我々はデマゴギーと眞なる友を見合け得る事が出來るからだ。

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